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老人ホームから認知機能が低下した入居者が脱走 離設事故の責任と事例
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離設とは 不意に老人ホームの入居者が外に出てしまうこと

老人ホームから脱走することを業界用語で「離設(りせつ)」といい、老人ホーム側からすると事故扱いにすることが多いです。なぜ事故扱いにするかと言うと、介護施設としては老人ホームから出て行く可能性があるかどうかを予め予測しておき、出来る限りの対策はしている中で気づいた時にはいなくなってしまったという出来事だからです。

見守りを行ったり身の回りのお世話を行う介護施設の場合には、介護施設側の責任を問われますし介護施設としても離設の事故が起きないように対策をする必要があります。老人ホームからの脱走と言うと、まるで刑務所にでも入ってた人が逃げ出したかのように感じますが、事故として扱うか、本人の意思で出かけたものと扱うかは、老人ホームの種類によって異なります。

住宅型の施設や高齢者向け住宅では入居者が出かけることは普通にあり得ること

住宅型の施設で生活相談や見守りサービスなどが付いているだけの施設の場合には、そもそも入居者を外に出さないように保護するという義務などはありません。
特別養護老人ホームや介護付有料老人ホームなどでも、入居者の自由な行動を抑制してしまうことは、身体拘束と言う自由を奪ってしまう問題として扱われてしまいます。
老人ホームなど介護施設は、高齢者の持つ人権を大切にしなくてはなりませんし、体や移動の自由を犯すことはできません。 最大限に高齢者の自由を確保しつつ、高齢者の予期せぬ行動にも対策を打っておかなくてはならないと言うきわどい立場にあるのです。

老人ホームから入居者が脱走した時の対応方法

老人ホームから入居者が脱走してしまった場合、施設としては躊躇せずに警察に相談することが先決です。老人ホーム側もできるだけおおごとにしたくないとは思うかもしれませんが、老人ホームにいる職員で探しに行くのでは老人施設の中の入居者の見守りや介護が手薄になりますし、万が一のことが起きる前に一秒でも早く入居者を探し出さなくてはなりません。

特に、老人ホームから不意に外に出て行ってしまう方の多くは、認知機能が低下していたり、自分が老人ホームに入ることが分からなくなってどこかに閉じ込められているのかと思って自分の上を目指して歩き出していたりすることもあります。このような場合、本当にどこに行くかわかりません。ご本人は自分の家を目指して歩いているかもしれませんし、もしかすると戦時中のこと思い出してどこかに身を潜めているかもしれません。このような事例もありますので、離設してしまった場合には、警察に相談して助けを求めた上で、家族などのキーパーソンに状況などを報告して進めていくことになります。

老人ホームの入居者が外に出てしまった事故の責任の所在や裁判の事例

老人ホームから入居者が出て行ってしまい見失ってしまった場合、警察に相談してなるべく早く身元の安全を確保することが大切ですが、交通事故や転倒などで怪我をしてしまったりして発見されることもあります。その場合の責任の所在は介護施設側にあると判断された事例もあります。実際にあった裁判で、介護施設から入居者が窓を上って出て行ってしまい、出て行った先で死亡してしまったと言う事故がありました。 施設の外に出てしまったという点について刑事裁判になった場合は、 介護施設側に責任が問われる範囲は、通常の人であれば予見にできる損害の範囲に限定されると言われています。

家族としては安心して施設に親を預けていたつもりでしたが、予想外の施設外での事故ということで精神的な苦痛があったと慰謝料と損害賠償の請求を行ったということがありました。 こちらは民事の裁判になるため、実際の事故にあった入居者の認知機能や判断能力の状況や、施設の予防策の状況などを加味して判断されますが、家族が受けた精神的苦痛という点では損害の賠償が命じられたという事例もあります。

離設事故という観点から考える老人ホームを選ぶ時のポイント

離設事故という観点から考えると、認知機能が低下している状態で新しい環境に入ると予想外な行動に出る入居者は送ります。初めて老人ホームに入った時に、ホテルに泊まりに来てると思っている人もいますし、どっか知らない所に連れてこられて閉じ込められていると考える人もいます。認知機能が低下した認知症の方などだと、その方の行動は自分がどのような環境に置かれていると認識したかで変わってきます。

認知機能の低下が見られる場合に確認しておきたい施設設備

老人ホームを選ぶときには、認知機能の低下が見られる場合にはこのような対策も確認したほうが良いでしょう。

  • お部屋の窓が数センチしか開かないようになっている
  • 施設の玄関を出る時には職員に一声かけないと玄関の自動ドアが開かないようになっている
  • エレベーターなどは電子キーで職員だけが操作できるようになっている
  • 各階を行き来する階段にも電子キーが付いていて職員だけが持っている名札の IC カードや鍵を使わないと入れない

施設側としてはこのような設備面での対策をする他、ご利用者に頻繁に声をかけて安心していただくことなどを取り組んでいきます。 施設を選ぶときに見学に行ったりした時には、施設側としてはあまりいい気持ちはしないかもしれませんが、入居したら自由に外に出られるのかや、もしも外の空気が吸いたいと相談されたらどのような対応を職員の方がしてくれるかなど確認してみると良いでしょう。併せて認知機能が低下している方はあまり大きな施設ではなく、アットホームな雰囲気の場所の方が安心できると思いますのでこちらも選ぶときのポイントになると思います。

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