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介護付き有料老人ホームとは
介護付き有料老人ホームは、介護保険の特定施設入居者生活介護の要件を満たした有料老人ホームのことです。 設置の際の届出とは別に、一定の基準を満たした上で、都道府県知事・指定都市市長・中核市市長の指定を受けた施設です。 特定施設である介護付き有料老人ホームでは、入居している要介護者に対して、日常生活上の世話、 機能訓練、療養上の世話などを提供します。
介護付き有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護)の介護保険の単位数
2021年4月1日に介護報酬改定があり、特定施設入居者生活介護の介護保険で給付される1日当たりの基本単位数は以下のようになっています。これは介護保険で決められている単位数であり、基本的にはどんな施設でも共通の費用です。
要介護1 | 538単位 |
要介護2 | 604単位 |
要介護3 | 674単位 |
要介護4 | 738単位 |
要介護5 | 807単位 |
介護付き有料老人ホームの費用
介護付有料老人ホームの費用は、介護保険で決められた単位数の自己負担と、家賃や食費・生活費などに相当する分があります。介護付有料老人ホームの中でも1ヶ月の費用が安いところから高級なところまであるのは、家賃や食費・生活費に相当する部分の費用が異なるからです。費用が高い介護付有料老人ホームの場合にはこの後に紹介するような人員の基準を大きく上回るような手厚い体制になっていたり、建物や設備が充実しているなどの違いはありますが、長い期間入居を継続することになるかもしれないので入居中にかかる費用と設備や体制などのバランスを考えながら施設を決める必要があります。
介護付き有料老人ホームの人員基準
管理者 | 1人 [兼務可] |
生活相談員 | 要介護者等:生活相談員=100:1 |
看護・介護職員 | ①要支援者:看護・介護職員=10:1 ②要介護者:看護・介護職員=3:1 |
機能訓練指導員 | 1人以上[兼務可] |
計画作成担当者 | 介護支援専門員1人以上[兼務可] |
有料老人ホームの種類と特徴
介護付有料老人ホームは、介護等のサービスが付いた高齢者向けの居住施設
・介護等が必要となっても、ホームが提供する介護サービスである「特定施設入居者生活介護」を利用しながら、生活を継続することが可能です。
住宅型有料老人ホームは、生活支援等のサービスが付いた高齢者向けの居住施設です。
・介護が必要となった場合、入居者自身の選択により、地域の訪問介護などの介護サービスを利用しながら、ホームでの生活を継続することが可能です。
健康型有料老人ホーム
有料老人ホームという名前がついていてもバリアフリーへの配慮や、食事などのサービスが付いた高齢者向けの居住施設もあります。
・介護が必要となった場合には、生活が難しくなり退去しなければならないことが多いです。
介護付き有料老人ホームのデメリット 福祉用具貸与が利用できない
介護付き有料老人ホームは、単位数の項目でご紹介したように、1日あたりの単位数が決まっていて、要介護度によって設定されている区分支給限度額をすべて使ってしまいます。
そのため、在宅生活や住宅型有料老人ホームで利用できる介護保険を使った福祉用具貸与(福祉用具のレンタル)を使うことができません。自立度が高く、福祉用具は必要ない状態でしたらあまり問題になりませんが、日常生活全般に介護が必要になるような状態で終身で暮らすならば、ベッドや車いす、手すり、体位交換機・床ずれ防止のマットなど、いろいろなものが必要になります。
介護付き有料老人ホームでも、標準的な車椅子などは用意していることはありますが、そのほかの福祉用具は自費でのレンタル・購入が発生します。在宅や住宅型有料老人ホームで暮らす場合には、福祉用具のレンタルができ、体に合わないときや修理が必要な時などには返品して適切なものを再度レンタルすることなどが介護保険上も可能ですが、購入した場合には体の状態が変わったら福祉用具を買い替えなければならなくなってしまいます。
まとめ
この記事では介護付き有料老人ホームについて紹介をしてきました。介護付有料老人ホームには福祉用具が使えないのでメリットはありますが、介護保険法で決められた特定施設の基準を満たすような体制を作れているため、生活上多くの介護が必要になっても入居を継続することができます。それゆえに介護度が高い方が多く入居している介護付有料老人ホームも多いので、入居予定日の方が現在の状態に照らして施設の雰囲気や周りの入居者のレベルが合っているかなども老人ホームを選ぶときのポイントになると思います。どれぐらいの介護の方が多く入居しているかや、雰囲気については、実際に見学をしたり相談に行かないと分からない部分なので、まずは興味がある施設を幾つか見学をして雰囲気を確かめてみることをお勧めします。